所得税と相続税の二重課税は排除されているため、相続税の申告後に確定申告の必要はありませんが、なかには確定申告が必要になるケースも存在します。
そこで今回は、確定申告の概要と所得税の申告をしなければならないケースについて解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
□そもそも確定申告とは?
所得税の確定申告では、1月1日から12月31日に手にした所得(収入から経費を差し引く)の金額と所得に対する税額を計算し、翌年の2月16日から3月15日に申告します。
所得の合計が基礎控除額の48万円以下、あるいは給与収入のみで103万円以下の場合は非課税なので申告する必要はありません。
また、所得が48万円以上の場合でも、扶養控除や社会保険料控除の適用によって非課税となる場合があります。
所得税法に基づけば、純資産が増加するような利益は所得とみなされるため、相続や贈与で得た財産は所得ではあるものの、所得税法9条により所得税と相続税の二重課税がされないようになっています。
基本的には、相続税の申告後に所得税の申告は必要ありませんが、一部のケースで確定申告が必要になる場合があります。

□相続で確定申告が必要になるケースとは?
以下のケースでは、相続の際に確定申告が必要です。
*相続遺産を売却したケース
相続した土地や建物、株式などを相続後に売却して利益を得た場合には、その利益に対する所得税の申告をする必要があります。
*利益を生む遺産を相続したケース
ここでいう利益を生む遺産には、賃貸マンションやアパート、駐車場などが該当します。
このような賃貸不動産を相続した場合、相続発生日以降に発生した賃貸収入については相続人の所得として確定申告を行わなければなりません。
また、遺言書がなかった場合、遺産分割協議が終了するまでは相続人全員の共有財産となります。
そのため、賃貸収入を法定相続分で分割してからそれぞれで申告をする流れになります。
*相続遺産を寄附したケース
このケースにおいて確定申告をしなければならない義務はありませんが、寄附した団体から受け取った受領証を添付して申告すると、所得税の寄附金控除が適用されます。
節税にもなりますので、ぜひ申告しましょう。

□まとめ
今回の記事では、確定申告の概要と所得税の申告をしなければならないケースについて解説してきました。
基本的には相続税と所得税の二重課税はなされませんが、上記で紹介したケースでは両方の申告を行う必要があります。
また、相続に関する不安をお抱えの方がいれば、ぜひ当社にご相談ください。