
「相続」と「贈与」は共に財産を与える手段ではありますが、異なる点がいくつかあります。
代表的な違いは、財産が渡るタイミングや税率などです。
そこで今回は、相続と贈与の違いについて解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
□相続と贈与の違いとは?
贈与とは、財産を無償で分け与えることを指し、契約の1つとされています。
一方、相続とは亡くなった親族の財産を引き継ぐことを指し、相続する財産には金銭や不動産のほか、生命保険金のようなみなし相続財産も含まれます。
続いて、相続と贈与の主な違いを見ていきましょう。
まず異なるのが、基礎控除額です。
基礎控除額とは税金がかからないボーダーラインのことで、贈与税と相続税では大きく違います。
それぞれの基礎控除額は以下の通りです。
・贈与税 年間110万円まで
・相続税 3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
贈与の場合であれば、年間110万円までは非課税で財産を贈与できます。
一方、相続税の場合、仮に配偶者と子ども1人が相続人であるとすると、合計4200万円が基礎控除額になるわけです。
相続対象の財産が6000万円であれば、ここから4200万円を差し引いた1800万円に課税されることになります。
また、贈与は双方の合意により成立するものであるのに対し、相続は亡くなった方・相続する方双方の意思に関係なく発生するものという違いもあります。
相続は法的なルールに基づいて発生するわけです。

□贈与と相続ではどっちが得する?
以下では、例を用いてどちらがお得かどうかを考えてみましょう。
親の財産1億円を子ども2人で相続あるいは受贈すると仮定します。
*1000万円を生前贈与して9000万円を相続
子ども2人に500万円ずつ生前贈与し、その後9000万円を法定相続分である半分ずつで相続するケースです。
贈与税は基礎控除額である110万円をこえた分にかかるので2人合わせて97万円となり、相続税が620万円なので合計717万円となります。
*生前贈与せずに全額を相続
子どもが5000万円ずつ相続するケースでは、相続税が770万円かかることが計算からわかります。
この2つのケースの比較では、生前贈与と相続を組み合わせた方が53万円安くなることが分かりました。

□まとめ
今回の記事では、相続と贈与の税率の違いについて解説してきました。
基礎控除額の110万円を何度か利用することで、納税額を低く抑えることにつながります。
相続に関するお悩みがあれば、ぜひ当社にご相談ください。