遺産共有という言葉を聞いたことはあるけれど、具体的にはどのようなものかわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、遺産共有とは何かについて解説するとともに、共有物分割との違いについても解説します。
□遺産共有とは
共同相続人である場合、遺産の分割間にその相続分を第三者に譲渡できます。
相続分は、各相続人が遺産を共有している割合的権利を指します。
相続分は、法律によって相続人の身分に応じて求められる法定相続分と遺言によって定められる指定相続分があります。
しかし、遺産分割が成立する前の段階では、暫定的なものにすぎないことに注意が必要です。
また、相続分には相続人の地位という身分権としての性質もあります。
遺産共有の状態でも個々の財産の共有権を処分できます。
遺産分割を経ないで、遺産を構成する個別財産が一部の共同相続人の処分行為によって確定することもあるでしょう。
加えて、共同相続人は登記なくして、自己の指定相続分に応じた不動産の共有権を第三者に対抗できます。
遺産共有と物件共有が併存している場合の分割手続きは、共有物分割請求訴訟となります。
言葉が難しいので、なかなかすぐに意味を理解するのは難しいかもしれません。
1つ1つ理解するようにしましょう。

□共有物分割との違い
遺産分割は、被相続人の遺産をどのように分割するかを決める手続きのことです。
不動産を持つ人が亡くなると、各相続人の相続分に応じて不動産を共有します。
しかし、遺産共有以外の理由で共有状態が発生することもあるかもしれません。
この状態が物件共有です。
遺産分割により、共有不動産を共有する分割方法を選んだ場合は、物件共有になります。
遺産分割の場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を起こす必要がありますが、共有物分割の場合は、地方裁判所に共有物分割請求訴訟を起こすことが一般的です。
利用する手続きが異なるので注意が必要。
また、共有不動産は遺産共有と物件共有が併存していることがあります。

□まとめ
今回は、共有分割についてご紹介しました。
相続分は、法律によって相続人の身分に応じて求められる法定相続分と遺言によって定められる指定相続分があります。
また、共同相続人は登記無くして自己の指定相続分に応じた不動産の共有権を第三者に対抗できることを覚えておきましょう。
遺産共有や共有物分割は言葉が難しく、なかなかすぐに覚えるのは大変だと思います。
まずは、1つ1つの理解を深めることを大切にしましょう。