
相続により、土地を手に入れたものの管理が難しく困っている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、相続土地国庫帰属法により、特定の条件を満たせば、国に相続した土地の所有権を移転できるようになりました。
この記事では、相続土地国庫帰属法とは、また相続土地国庫帰属法の負担金についてご紹介します。
□相続土地国庫帰属法とは?
相続土地国庫帰属法とは、その名の通り、相続によって取得した土地を国庫に帰属させられる制度のことです。
この制度は、所有者不明の土地が増加する現状に対処するために設けられました。
具体的には、土地の所有権と管理責任を国に移すことで、土地の再利用が容易になります。
この制度の申請対象者は、亡くなった人から土地を相続した者、または遺贈によって土地を取得した者です。
ただし、土地を購入などの方法で取得した場合や、相続・遺贈以外の方法で取得した場合は、この制度の対象外となります。
共有土地の場合は、共有者の中に相続や遺贈で土地を取得した者がいれば、全員で申請が可能です。
申請先は、その土地を管轄する法務局または地方法務局です。
申請には、承認申請書とその添付書類一式を提出し、審査のための手数料を納める必要があります。
手続きが煩雑に感じるかもしれませんが、正確な手続きを行うことで、土地の管理負担を国に移せます。

□相続土地国庫帰属法の負担金について
相続土地国庫帰属法の負担金は、土地の種類や面積によって異なります。
例えば、都市計画法の市街化区域と用途地域の指定がない宅地の場合、負担金は一律20万円です。
このように、負担金は土地の特性に応じて計算されるため、事前にしっかりと確認することが重要です。
負担金の計算方法は、土地の面積や用途によって複数の計算式が存在します。
例えば、都市計画法の市街化区域内の宅地で50平方メートル以下の場合、負担金は国庫帰属地の面積×4070円/平方メートル+208000円となります。
負担金には特例も存在します。
具体的には、同種の土地が隣接している場合、2筆以上の土地を1つとして負担金を計算できます。
この特例を活用することで、負担金を抑えつつ、土地を国庫に帰属させられます。

□ まとめ
相続土地国庫帰属法では、特定の条件を満たせば、買い手が見つかりにくく、管理が難しい土地でも国に引き渡せるようになりました。
この制度を利用するには、いくつかの条件が設けられています。
スムーズに土地を手放す手続きをおこなうために、税理士に相談して進めると良いでしょう。