
住宅ローンの返済が困難になった際の選択肢として、任意売却の手続きは重要です。
しかし、そのプロセスや売れない理由については多くの不安があるという方も多いでしょう。
この記事では、任意売却の基本的な知識を紹介し、売れない主な理由を解説することで、さまざまな状況に合わせた適切な対策を講じられるよう支援します。
□任意売却の基礎知識!なぜ抵当権が売却を左右する?
任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった場合、残債がある状態でも金融機関の承諾を得て売却する手法です。
このような不動産の売却において、抵当権の存在は中心的な役割を果たします。
ここではそんな抵当権と任意売却のプロセス、競売との関連性について解説します。
*抵当権とは
金融機関からお金を借りる際に不動産に設定される担保物権です。
金融機関に対する住宅ローンの滞納が続くと、「抵当権を実行」される可能性があります。
抵当権の実行とは、ローンの担保となる不動産を競売にかけ、その売却金で残債を返済することを意味します。
*任意売却のプロセス
任意売却は、金融機関から「期限の利益の喪失通知」が届いた後に申請可能です。
この方法で売却すると、市場価格に近い金額で売却でき、残債を大きく減らすことが可能です。
さらに、引越し費用の控除も認められやすいというメリットがあります。
*競売との関連性
滞納が数ヶ月続くと、競売開始決定通知書が届きます。
競売になると、通常の売買価格よりも安く売られるため、返済に充てる金額も少なくなります。
これを避けるためにも、任意売却の選択が重要になってくるのです。
□任意売却で売れない理由とは?
任意売却が売れない理由は、主に競売との同時進行にあります。
通常、任意売却はローンを3~4ヶ月滞納した後、保証会社による代位弁済が行われた後に交渉が始まります。
この時点で既に競売の手続きは進行中であり、任意売却の交渉を開始しても競売の手続きが停止するわけではありません。
そして競売で入札が入ると、所有権の移転が行われます。
このため、任意売却のタイムリミットは、競売の取り下げ期限です。
このタイミングまでに任意売却を完了できなければ、強制的に競売での売却が決定します。
競売で売却されると、期限内に立ち退きが必要になります。
これに応じられない場合、強制執行により退去させられることもあります。
これは、引越し先が未定であっても考慮されません。

□まとめ
この記事では、任意売却の基礎知識と任意売却で売れない理由を解説しました。
任意売却は、住宅ローンの返済が困難になった際の有効な選択肢ではあるものの、そこにはさまざまなリスクも存在します。
今回ご紹介した任意売却や抵当権についての理解を深め、後悔なく売却を進めましょう。