
相続放棄は、遺産相続において使える特殊な権利です。
この遺産放棄は、遺産に含まれる何かしらの扱いが難しかったり、遺産相続において不利益を被ったりする場合に使われます。
そんな場合に気になるのが遺産放棄された遺産の行き先です。
そこで今回は、遺産放棄された建物がどうなるのか見ていきましょう。
□相続放棄された建物はどうなる?
相続放棄をすると、個人が相続できる権利はすべて失われます。
そうした場合建物はどうなるのでしょうか。
権利関係から、どう動くのか見てみましょう。
1:相続放棄した本人は何も相続できない
相続放棄とは、すべての財産の承継を拒否する行為です。
したがって、相続放棄をした本人は、法律上、一切の財産を相続できません。
2:他の相続人が相続する
相続放棄した財産は、他の相続人が承認すれば、他の相続人が財産を相続します。
例えばある家族が相続放棄をした場合、その家族の兄弟姉妹が相続を承認すれば、彼らが財産を受け取ることになります。
3:後順位の相続人に相続権が移る
同じ順位の相続人がいない場合、後順位の相続人が財産を相続することになります。
例えば、親の相続で唯一の子が相続放棄をした場合、祖父母やおじ・おばが相続権を持ちます。
4:全員が相続放棄した場合
相続人全員が相続放棄をした場合、建物の管理義務や賠償責任は放棄者に残ります。
これは、放棄により相続人がいなくなった場合、財産の管理が必要だからです。
□相続放棄する場合の注意点
相続放棄には、一度行うと取り消せないという重要な特性があります。
そのため、相続放棄する場合はあらかじめさまざまな注意点を心に留めておきましょう。
1:放棄の取り消しはできない
相続放棄を一度行うと、それを取り消すことはできません。
したがって、相続放棄の決定は非常に慎重に行いましょう。
2:不動産の処分や隠匿があると放棄できない
被相続人の不動産を処分したり隠匿したりしている場合、相続放棄はできません。
この点は、特に注意が必要ですよ。
3:相続放棄したら不動産はどうなる?
全員が不動産を相続放棄した場合、選出された相続財産管理人が不動産を国庫に帰属させる作業を行います。
しかし、相続財産管理人が決まるまでは、相続放棄者に不動産の管理義務が発生します。

□まとめ
相続放棄は複雑な法的手続きと深い理解を要する過程です。
この記事を通じて、相続放棄された建物について知っていただければ幸いです。
これらの情報を活用し、相続において決断を後悔する方が減ることを願っています。