
親が亡くなった後、実家をどうするかは多くの人が直面する問題でしょう。
その問題は個々のケースで変わってきますが、今回は親が亡くなった後に実家に住むか、住まないか、という選択に注目します。
親が亡くなった後の実家に住むことには、どんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
□親が亡くなった後の実家に住むメリット
1:住居費の節約
親の家に住むことで、賃貸住宅よりも毎月の家賃やそれに伴う固定費が削減されます。
これは特に、賃貸住宅から移る場合には経済的な大きなメリットとなるでしょう。
2:管理の容易さ
実家を空き家にせずに自分が住むことで、建物の管理がより簡単になるはずです。
空き家になると湿気や臭気による建物の損傷が進む恐れがあるものの、住んでいることでこれらの問題もいくらか抑えられるのではないでしょうか。
また、外部の管理サービスを利用するコストを節約できるため、時間的な余裕も生まれます。
3:感情的な価値
親が大切にしてきた家を手放さずにその記憶の中で生活することは、多くの人にとって大きな心の安らぎに繋がりやすいです。
家族の歴史や思い出が詰まった実家に住むことで、感傷に浸る気持ちも癒されるかもしれませんね。
4:節税の可能性
相続税の面では、小規模宅地等の特例を利用することにより、税金を大幅に節約できるかもしれません。
これは特に、亡くなった親と同居していた相続人にとって重要なポイントです。
継続して実家に居住することにより、相続税の負担を軽減できます。
□親が亡くなった後の実家に住むデメリット
*固定資産税の発生
実家を所有することにより、毎年固定資産税の支払いが発生します。
これは小さくない経済的な負担となるでしょう。
特に広い土地や建物を持つ実家の場合、税額が高額になることもあり、将来の財政計画に影響を及ぼす可能性があります。
*メンテナンス費用
実家というのは基本的に古い家です。
そういった家の場合、屋根の修繕や壁の補修など、メンテナンスに高額な費用がかかることがあります。
これらの出費は予測が難しいため、突然の大きな負担になるケースもあります。
定期的なメンテナンスや緊急の修繕が必要になると、長期的な財政計画に大きな穴を開けるかもしれません。
*通勤の不便さ
実家が空き家になったことで、賃貸物件であった現在の住まいから引っ越すこともあるでしょう。
実家が職場から遠い場所にある場合、その結果として通勤にかかる時間や費用が増えてしまいます。
通勤時間の増加は日々の生活の質に影響を及ぼし、通勤費用の増加は月々の経済負担になり得ます。

□まとめ
親が亡くなった後の実家に住む選択は、経済的、感情的な面において大きなメリットがあります。
一方、固定資産税やメンテナンス費用、通勤の不便さ、家族への影響など、さまざまなデメリットも想定できます。
それらを1つずつ比較し、メリットとデメリットのどちらが大きいかをよく考えてみましょう。