土地の名義変更は多くの人にとって複雑で負担が大きいものでしょう。
法的手続きの不明瞭さや税金に関する不安が、相続に直面する人々の心を重くします。
土地の名義変更が必要となる状況として、相続が最も身近なものでしょうか。
今回は相続した土地の名義変更について見ていきましょう。
□相続した土地の名義変更はいつ行うべき?
相続した土地の名義変更は、遺言の確定や遺産分割協議の完了直後に行うのがおすすめです。
このタイミングを逸すると、さまざまなリスクが生じる可能性が高まりやすいと言えるのではないでしょうか。
1:罰金のリスクと期限
新しい法律が2024年4月1日から施行されます。
これにより相続発生後3年以内に名義変更を行わないと、最大10万円の罰金が課されるかもしれません。
この期限は被相続人の死亡時点から計算されるため、相続人が後になって知った場合でも期限は変わりません。
2:手続きの複雑化と遅延のリスク
名義変更を遅らせると相続人が増えることで手続きがより複雑になり、時間とコストが増大します。
そもそも、相続人全員が即座に連絡を取れるとは限りません。
そうなれば時間もコストも増えていってしまうため、早いうちからの行動が必要となるでしょう。
3:権利の喪失と土地の活用
名義変更がされない場合、土地を売却したり担保にしたりできません。
さらに、自分以外の相続人による名義変更や土地の不正使用のリスクもあります。
自分の権利を守り土地を有効に活用するためには、早期の名義変更が不可欠です。

□土地の相続にかかる税金
土地の相続に関連する税金は、登録免許税と相続税の2種類が主に存在します。
それぞれ見ていきましょう。
*登録免許税の計算と事例
この税金は名義変更の際に必要です。
額は土地の固定資産評価額の0.4パーセントに設定されています。
たとえば、固定資産評価額が4000万円の土地については、16万円の登録免許税が必要になります。
2:相続税の基礎控除と計算式
相続税は相続した全財産に対して課税される税金であり、基礎控除額を差し引いた残額に対して計算されます。
基礎控除額は以下の式によって導かれます。
3000万円+600万円×法定相続人数
例えば、法定相続人が3人の場合を見てみましょう。
3000万円+600万円×3人
基礎控除額は4800万円となり、これを超える相続財産がある場合にのみ相続税が課税されます。

□まとめ
相続における土地の名義変更と税金についての正確な理解は、スムーズな相続手続きを実現するために不可欠です。
罰金のリスク回避や相続税の適切な理解によって相続に伴う不安を軽減し、判断を下せることでしょう。