こんにちは、相続コンサルの脇坂です。今回は「被相続人の準確定申告に係る還付金等」について、質疑応答している内容を見て行きます。
被相続人の準確定申告に係る還付金等
【照会要旨】
被相続人は、8月に死亡したので、相続人は準確定申告書を提出し、7月に納付した予定納税額のうち一部の還付を受けました。
この場合の還付金及び還付加算金は、被相続人の死亡後相続人について発生するものですから、相続財産であるとはいえず、相続税の課税価格に算入されないと考えてよろしいですか。
【回答要旨】
1 還付金請求権は(本来の)相続財産であり、相続税の課税の対象となります。還付金請求権は、被相続人の死亡後に発生するとしても、被相続人の生存中に潜在的な請求権が被相続人に帰属しており、これが被相続人の死亡により顕在化したものと考えられます。
したがって、これらの請求権に基づいて還付金を取得した場合は、相続税の課税の対象となります。
2 還付加算金は相続人が確定申告書の提出によって原始的に取得するもので、被相続人からの相続によって取得するものとは認められないため、所得税(雑所得)の課税対象となり、相続税の課税価格には算入されません。
【関係法令通達】
所得税法第125条第2項
国税通則法第58条
所得税基本通達35-1(4)
準確定申告とは、被相続人(死亡した方)の所得税について申告するもので、
被相続人が死亡した場合、亡くなった本人は当然ながら所得税の確定申告をすることはできませんね。
そこでその相続人が代って確定申告をすることになりますが、
これを準確定申告と呼びます。
このときに予定納税した納税額のうち、一部が還付された(戻って来た)場合、この還付金請求権は相続財産とみなされ、相続税の課税対象になります。それとは別に、還付加算金は相続税の対象にならず、所得税(雑所得)の対象になります。還付加算金とは還付金が返還されるまでの日数分の利払金の様な性質のお金ですので、被相続人が亡くなってから後に発生したお金にまで国が相続税として課税する事はありません。