皆さんこんにちは、相続コンサルの脇坂です。今回は「住宅用家屋の新築等の対価又は増改築等の費用の範囲」について説明したいと思います。
住宅を新築または増改築する時には様々な費用が掛かります。登記費用や印紙代、不動産業者の仲介手数料や新しい照明など、本来個別で購入すると住宅取得等資金の贈与の特例が使えないと思いがちの費用項目があります。どの範囲の費用までが住宅用家屋の新築等の対価又は増改築等の費用の範囲に入るのか、良く見て行きましょう。
住宅用家屋の新築等の対価又は増改築等の費用の範囲
【照会要旨】
次に掲げる費用に充てられた金銭は、住宅用家屋の新築等の対価又は増改築等の費用に充てられたものとされますか。
売買契約書等に貼付した印紙
不動産仲介手数料
不動産取得税等及び登録免許税
建築の請負業者以外の建築士に支払った家屋の設計料
住宅用家屋と一体として取得した電気設備等の附属設備の取得対価
【回答要旨】
租税特別措置法第70条の2第2項第5号イ若しくはロ又は第70条の3第3項第5号イ若しくはロに規定する住宅用家屋の新築等(住宅用家屋の新築等とともにするその敷地の用に供されている土地等の取得及び住宅用家屋の新築に先行してするその敷地の用に供されることとなる土地等の取得を含みます。以下同じです。)の対価とは、新築の場合は住宅用家屋の新築工事の請負代金の額であり、取得の場合には住宅用家屋の売買代金の額であると解されます。また、租税特別措置法第70条の2第2項第5号ハ又は第70条の3第3項第5号ハに規定する住宅用家屋の増改築等(住宅用家屋の増改築等とともにするその敷地の用に供されることとなる土地等の取得を含みます。以下同じです。)の費用とは、住宅用家屋の増改築等に係る工事の請負代金の額であると解されます。
照会の場合、から
については、住宅用家屋の取得に要した費用ですが、新築等の対価又は増改築等の費用に充てられたものとはいえません。
の設計料については、建設業法上、家屋の建築業者以外の建築士に支払う設計料は、住宅用家屋の新築工事又は増改築等に係る工事の請負代金の額に含まれないと解されますが、家屋の新築等又は増改築等をするために直接必要なものであり、建物本体価格を構成するものであることから、新築等の対価又は増改築等の費用に充てられたものとみて差し支えありません。
の住宅用家屋と一体として取得した電気設備等の附属設備の取得対価については、本来住宅用家屋の新築等の対価の額とはいえないものですが、その取得対価は住宅用家屋の新築の工事の請負代金の額又は売買代金の額に含まれており区分が困難であること、また、増改築等の場合には、租税特別措置法第70条の2第2項第4号カッコ書き又は第70条の3第3項第4号カッコ書きの規定により家屋と一体となって効用を果たす設備の取替え又は取付けに係る工事が含まれることとされていることから、新築等の対価に充てられたものとみて差し支えありません。
【関係法令通達】
- 租税特別措置法第70条の2、第70条の3
この様に、住宅取得時に購入する照明等や各種税金も「住宅用家屋の新築等の対価又は増改築等の費用の範囲」に入りますので、皆さんもそこを良く理解して住宅メーカーと交渉してみて下さい。あらかじめ取付が出来るエアコンや照明類など、住宅購入後に別途購入した場合に贈与の特例が使えない場合が出てきますので、そこの所をチェックしておかないと「しまった、もっと良く確認しておくべきだった!!」という事になりかねません。次回も住宅購入時の贈与の特例についてチェックして行きます。