こんにちは、相続コンサルの脇坂です。今回は、「国外財産の贈与を受けた場合の相続時精算課税の適用」についてお話しします。海外に大きな資産を持つ資産家のご子息等が被相続人から海外にある不動産等の贈与を受ける場合にはこの特例を適用する事がありますので見て参りましょう。
国外財産の贈与を受けた場合の相続時精算課税の適用
【照会要旨】
私は、海外に所在する土地を、父からの贈与により取得しました。この贈与に係る贈与税の申告に当たり、相続時精算課税の適用を受けられますか。
また、この場合には、贈与税の計算上、当該土地に係る贈与について課せられた当地の贈与税額(外国税額)を控除することができますか。
さらに、贈与者である父に相続が発生した場合には、相続税の申告に当たり、今回の贈与税の課税価格を相続税の課税価格に加算し、相続税額から贈与税額を控除することになりますが、その際の贈与税額は外国税額を控除する前の税額でよろしいですか。
【回答要旨】
国外財産の贈与についても相続時精算課税の適用を受けることができます。
また、この場合には、贈与税の計算上、国外財産に対する外国税額を控除することができます。
さらに、贈与者に相続が発生した場合に相続税額から控除する贈与税額は、外国税額を控除する前の税額となります。
【関係法令通達】
相続税法第21条の8、第21条の9、第21条の11、第21条の15第3項、第21条の16第4項
国外にある財産を相続によって取得した場合、外国ごとに日本の相続税に相当する税金を支払う事があります。その様な税金を既に支払っている場合には、日本の相続税から一定の金額を差し引く事が出来ます。
この規定を「外国税額控除」と言います。外国で支払った税額と、「日本の相続税額×国外財産の金額÷相続財産の総額」のいずれか少ない金額を相続税から控除する事が出来ます。