共有名義には節税効果や負担の分散など、魅力的なメリットがある一方で、トラブルに発展するリスクも潜んでいます。
この記事では、共有名義で不動産購入を検討する際に知っておくべき、メリット・デメリット、トラブル事例、解決策について解説します。
安心して不動産所得を得られるように、トラブルを回避するための知識を身につけましょう。
□不動産所得共有名義のメリットと注意点
1: メリット
・節税効果
共有名義不動産は、住宅ローン控除や特別控除など、複数の税金を節税できるというメリットを享受可能です。
共有者は個々の税負担を軽減できます。
例えば、夫婦で不動産を購入した場合、それぞれの収入に応じて所有割合を調整することで、税金対策をより効果的に行えます。
・負担の分散
共有名義では、修繕費や固定資産税などの経費を共有者間で分担するため、一人当たりの負担が軽減されます。
例えば、老朽化したマンションの修繕費用が発生した場合、共有者全員で負担することで、個々の負担を軽減できます。
・管理の効率化
物件の管理やメンテナンスを共有者間で分担することで、労力と時間の節約が可能になります。
例えば、賃貸物件の場合、共有者で管理業務を分担することで、それぞれの負担を軽減し、より効率的に管理を行えます。
2: デメリット
・意思決定の複雑さ
共有者全員の合意が必要な場合が多く、自分の希望がいつまでも通らない恐れがあります。
例えば、不動産の売却や大規模なリフォームを行う場合、共有者全員の同意を得なければ、手続きを進められません。
・トラブルのリスク
共有者間で意見の不一致が生じると、解決までに時間と労力がかかり、最悪の場合、法的な争いに発展する可能性もあります。
例えば、共有者間の金銭トラブルや管理方法に関する意見の食い違いなどが原因で、トラブルが発生することがあります。

□共有名義不動産で起こるトラブルと不動産所得の計算
共有名義不動産では、管理や処分に関する意思決定、共有者間の意見の不一致、相続など、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。
トラブルを回避するためには、事前に共有者間で明確なルールを定め、必要に応じて専門家の意見を聞くことが重要です。
具体的なトラブル事例と解決策を参考に、トラブル発生時の対応策を検討しましょう。
1: 共有名義不動産でよくあるトラブル事例
・管理費用の負担割合
共有者間で管理費用の負担割合について意見が一致せず、トラブルに発展することがあります。
例えば、所有割合が異なる場合、管理費用の負担割合についても、それぞれの所有割合に応じて負担すべきという意見と、平等に負担すべきという意見が出てくる可能性があります。
・修繕費用の負担
物件の修繕が必要になった場合、その費用を誰がどの程度負担するのかでトラブルになることがあります。
例えば、老朽化した設備の修理費用を誰が負担するのか、共有者間で意見が一致しない場合、トラブルに発展する可能性があります。
・売却や賃貸に関する意思決定
不動産の売却や賃貸を行う場合、共有者全員の同意が必要となります。
共有者間で意見が一致せず、売却や賃貸が難航するケースも考えられます。
2:不動産所得の計算
たとえば夫婦で共有している不動産で夫と妻の持分割合が6:4、年間の賃貸収入が500万円、かかった経費が150万円としましょう。
この場合、夫にかかる収入は300万円分、経費は90万円分となります。差し引きすると不動産所得は210万円です。
妻にかかる収入は200万円分、経費は60万円分となります。
差し引きすると不動産所得は140万円です。
夫には210万円に対する所得税、妻には140万円に対する所得税が発生します。

□まとめ
共有名義の不動産購入は、節税効果や負担の分散など、多くのメリットがある一方、トラブル発生のリスクも潜んでいます。
トラブルを回避するためには、事前に共有者間で明確なルールを定め、必要に応じて専門家の意見を聞くことが重要です。
この記事で紹介した情報を参考に、共有名義不動産のメリットとデメリット、トラブル事例、解決策などを理解することで、安心して不動産所得を得られるでしょう。