サブリースは、不動産投資における賃貸経営手法の一つです。
空室リスクや滞納リスクを軽減できる反面、手数料負担や収益率の低下といったデメリットも存在します。
今回は、サブリースの基本的な仕組みから、メリット・デメリット、契約時の注意点、そしてトラブル事例までを分かりやすく解説します。
不動産投資初心者の方にとって、サブリース契約を検討する際の判断材料となる情報を提供します。
サブリースとは何か
サブリースの基本的な仕組み
サブリースとは、不動産オーナーが不動産会社に物件を貸し出し(マスターリース契約)、不動産会社がその物件をさらに第三者に転貸する契約形態です。
オーナーは不動産会社から毎月一定の賃料(保証賃料)を受け取ります。
これは、入居者がいるかどうかに関わらず支払われるのが特徴です。
不動産会社は、入居者から徴収する家賃と、オーナーに支払う保証賃料の差額で利益を得ます。
サブリースと他の賃貸管理方法の違い
サブリースは、自主管理や一般管理委託とは大きく異なります。
自主管理ではオーナーが全ての管理業務を自ら行います。
一般管理委託では、管理業務を不動産会社に委託しますが、賃貸借契約はオーナーと入居者の間で結ばれます。
サブリースでは、オーナーと不動産会社の間で賃貸借契約が成立し、不動産会社が入居者との賃貸借契約を結びます。
そのため、オーナーは管理業務から解放されますが、家賃収入は保証賃料に制限されます。
サブリース契約の種類
サブリース契約には、保証賃料の支払い方法や期間、免責期間の設定など、様々な条件があります。
契約前にこれらの条件を十分に確認し、理解することが重要です。
例えば、保証賃料の見直し頻度や、契約解除に関する規定なども確認が必要です。

サブリースのメリットとデメリットを比較検討
サブリースのメリット
・空室リスク・滞納リスクの軽減:入居状況に関わらず、一定の賃料収入が保証されます。
・管理業務の負担軽減:入居者募集、家賃回収、修繕対応など、煩雑な管理業務を不動産会社に委託できます。
・相続税対策:常に満室とみなされるため、相続税評価額の軽減に繋がることがあります。
・確定申告の手間軽減:不動産会社が多くの経費を負担するため、確定申告が簡素化されます。
サブリースのデメリット
・家賃収入の減少:保証賃料は、通常、市場家賃よりも低く設定されます。
・入居者を選べない:入居者の選定は不動産会社が行うため、オーナーの意向が反映されない可能性があります。
・手数料負担:保証賃料に加え、手数料を不動産会社に支払う必要があります。
・契約解除の困難さ:サブリース契約は、中途解約が難しい場合が多いです。
・賃料見直し・減額の可能性:契約更新時や市場状況の変化に応じて、保証賃料の見直しや減額要求を受ける可能性があります。
・免責期間の存在:契約開始時や入居者募集期間など、一定期間、保証賃料が支払われない場合があります。
・サブリース会社の倒産リスク:不動産会社が倒産した場合、保証賃料の支払いが滞る可能性があります。
・積極的な経営戦略が難しい:物件の改修やリフォームなど、オーナー独自の経営戦略を実行しにくい場合があります。
メリットとデメリットのバランスをどう考えるか
サブリースは、空室リスクや管理の手間を軽減したいオーナーにとって魅力的な選択肢ですが、家賃収入の減少や手数料負担といったデメリットも考慮する必要があります。
自身の状況や投資目的、リスク許容度などを総合的に判断し、メリットとデメリットのバランスを検討することが重要です。

まとめ
サブリースは、空室リスクや管理の手間を軽減できる反面、家賃収入の減少や手数料負担などのデメリットも伴います。
契約前に、保証賃料、手数料、免責期間、契約解除条件、賃料見直し頻度などを明確に確認し、自身の状況やリスク許容度と照らし合わせて慎重に判断することが重要です。
特に、サブリース会社の信用力や実績についても十分な調査を行うべきです。
契約書の内容を理解せず、安易に契約することは避けましょう。
長期的な視点で、収支計画を立て、シミュレーションを行いながら検討することが大切です。