土地を売却する際、気になるのは価格だけではありません。
スムーズな取引のためには、土地の境界や面積を正確に把握しておくことが不可欠です。
特に、初めての土地売却では、測量に関する知識が不足している方も多いのではないでしょうか。
今回は、土地売却における測量の必要性から、具体的な手順、費用、トラブルへの対処法まで、分かりやすく解説します。
土地売却と測量の義務
測量が必要なケース
土地売却において、測量は必ずしも義務ではありません。
しかし、境界が不明確な場合や、高額な土地の場合など、測量が必要となるケースは少なくありません。
境界が曖昧だと、隣地とのトラブルに発展する可能性があります。
また、高額な土地では、わずかな面積の誤差でも売買価格に大きな影響を与えるため、正確な測量が必要です。
さらに、登記簿上の面積と実際の面積が異なる場合も、測量によって正確な面積を把握する必要があります。
測量の種類と内容
測量には、大きく分けて「確定測量」「現況測量」「地積測量」の3種類があります。
確定測量は、隣接地との境界を確定する測量で、売買契約にはこの測量が必須となるケースが多いです。
現況測量は、現在の土地の状態を測量するもので、境界の確定は行いません。
地積測量は、登記簿に記載されている面積を確認するための測量です。
売買契約の際には、確定測量図が求められることが一般的です。
測量にかかる費用と期間
測量にかかる費用は、土地の面積や形状、隣接地の状況などによって大きく異なります。
一般的には、確定測量の方が現況測量よりも費用が高くなります。
また、隣接地に官公庁の土地が含まれる場合なども費用が高くなる傾向があります。
費用は数十万円から百万円を超える場合もあり、期間も数ヶ月かかることも珍しくありません。
正確な費用と期間については、測量士に依頼して見積もりを取る必要があります。
測量依頼の流れと注意点
測量は、測量士または土地家屋調査士に依頼します。
まず、依頼する測量士・土地家屋調査士に連絡を取り、必要な書類を準備します。
その後、隣接地の所有者への挨拶と立ち会い依頼を行い、測量を実施します。
測量後、測量図が作成され、必要に応じて登記手続きが行われます。
トラブル発生時の対処法
測量中に隣地所有者と境界について意見が食い違うなど、トラブルが発生する可能性があります。
このような場合は、冷静に話し合い、合意形成を目指しましょう。
それでも解決しない場合は、専門家（弁護士や土地家屋調査士）に相談することをおすすめします。
筆界特定制度を利用することも有効な手段です。
土地売却における測量の手順と売買双方の注意点
売主側の注意点
売主は、測量費用を負担することが一般的です。
そのため、予算を確保しておきましょう。
また、売買契約前に測量を完了させておくことで、スムーズな取引を進めることができます。
測量前に隣接地所有者と良好な関係を築いておくことも重要です。
買主側の注意点
買主は、測量結果を確認し、登記簿上の面積と実際の面積に大きな差異がないかを確認する必要があります。
差異がある場合は、売買価格の交渉を行うことも可能です。
また、境界が明確に示されているかどうかも確認しましょう。
スムーズな売買のための準備
スムーズな売買のためには、売買契約前に測量を行い、境界を明確にしておくことが重要です。
測量には時間と費用がかかるため、余裕を持ったスケジュールで進める必要があります。
また、売主と買主がそれぞれの立場から注意点を理解し、協力して進めることが大切です。
まとめ
土地売却における測量は、必ずしも義務ではありませんが、トラブル防止や適正な価格での売買のためには非常に重要です。
測量の種類、費用、期間、そして依頼の流れを理解することで、安心して土地売却を進めることができます。
特に、境界の確定は売買契約において重要な要素であり、隣接地所有者との良好な関係を維持することも不可欠です。
今回紹介した情報を参考に、スムーズな土地売却を実現してください。
