相続が発生し、実家を相続することになった際、何から手をつければ良いのか、どのように進めていけば良いのか、途方に暮れてしまう方も少なくないのではないでしょうか。
煩雑な手続きや専門用語の多さに、不安を感じる方もいるかもしれません。
今回は、実家の相続手続きの流れを、段階ごとに分かりやすく解説します。
スムーズに手続きを進めるための参考にしていただければ幸いです。
実家の相続手続きの流れ
相続手続き5つの段階
相続手続きは、大きく分けて5つの段階に分けられます。
まず、相続人の確定を行い、誰が遺産を相続する権利を持つのかを明確にします。
次に、遺産の調査を行い、実家以外にどのような財産があるのかを把握します。
そして、相続放棄や限定承認の手続きが必要な場合は、この段階で行います。
その後、遺産分割協議を行い、誰がどの遺産をどのように相続するのかを相続人全員で話し合って決定します。
最後に、遺産分割協議で決定した内容に基づいて、不動産の名義変更や預貯金の払い戻しなどの手続きを行います。
これらの手続きを一つずつ丁寧に進めていくことが、スムーズな相続の実現につながります。
最初のステップ相続人の確定
相続手続きの最初のステップは、相続人を確定することです。
誰が相続人になるかは、民法で定められています。
まず、被相続人の配偶者は常に相続人となります。
次に、被相続人に子供がいる場合は、子供も相続人となります。
子供がすでに亡くなっている場合は、その子供の子供(被相続人の孫)が相続人となります。
子供も孫もいない場合は、被相続人の両親が相続人となります。
両親もすでに亡くなっている場合は、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。
兄弟姉妹もすでに亡くなっている場合は、その子供(被相続人の甥・姪)が相続人となります。
被相続人の戸籍謄本を収集し、これらの情報を確認することで、正確な相続人を確定することができます。
相続人の確定は、遺産分割協議を行う上で非常に重要な情報となります。
遺産分割協議の重要性
遺産分割協議は、相続人全員が参加して、誰がどの遺産をどのように相続するかを話し合う重要なプロセスです。
この協議を通じて、相続人それぞれの希望や事情を考慮しながら、公平な遺産分割を目指します。
遺産分割の方法には、現物分割、換価分割、代償分割などがあります。
現物分割は、不動産や預貯金などの現物をそのまま分割する方法です。
換価分割は、遺産を売却して得たお金を分割する方法です。
代償分割は、特定の相続人が遺産を多く相続する代わりに、他の相続人に対して金銭などを支払う方法です。
遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に調停や審判を申し立てることもできます。
遺産分割協議は、相続人全員が納得できる形で遺産を分割するために、非常に重要な手続きとなります。

相続手続きで注意すべきこと
期限がある手続き
相続手続きの中には、期限が定められているものがあります。
例えば、相続放棄や限定承認の手続きは、相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に行う必要があります。
相続税の申告と納付は、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に行う必要があります。
これらの期限を過ぎてしまうと、相続放棄ができなくなったり、延滞税が発生したりする可能性があります。
期限のある手続きは、早めに確認し、計画的に進めていくことが重要です。
税理士などの専門家と連携し、期限管理を徹底することをおすすめします。
専門家への相談
相続手続きは、専門的な知識が必要となる場面が多くあります。
法律や税金の知識はもちろん、不動産評価や遺産分割の方法など、複雑な問題に直面することもあります。
このような場合、弁護士、税理士、司法書士などの専門家に相談することで、適切なアドバイスやサポートを受けることができます。
専門家は、それぞれの専門分野に応じて、相続手続きの代行や遺産分割協議のサポート、相続税の申告などを行ってくれます。
専門家のサポートを受けることで、時間や労力を節約できるだけでなく、法的なリスクを回避することもできます。
実家の名義変更
遺産分割協議で実家の相続人が決定したら、法務局で不動産の名義変更手続きを行う必要があります。
名義変更手続きには、遺産分割協議書、被相続人の戸籍謄本、相続人の戸籍謄本、印鑑証明書などの書類が必要となります。
また、登録免許税という税金も納める必要があります。
名義変更手続きを自分で行うことも可能ですが、書類の準備や手続きが煩雑なため、司法書士に依頼することをおすすめします。
名義変更手続きを完了することで、実家の所有権が正式に相続人に移転し、自由に売却や活用ができるようになります。

まとめ
実家の相続手続きは、段階的に進めることで、スムーズかつ確実に完了させることができます。
相続人の確定、遺産の調査、遺産分割協議、名義変更など、各ステップで必要な手続きを理解し、期限のある手続きは早めに着手することが重要です。
また、必要に応じて専門家のサポートを受けながら、相続人全員が納得できる形で遺産分割を進めていくことが、円満な相続の実現につながります。
この記事が、実家の相続手続きを進める上での一助となれば幸いです。
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