空き家の税金負担を減らす方法増える前に知るべき対策と活用術

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空き家の税金負担を減らす方法増える前に知るべき対策と活用術

空き家を所有していると、その維持管理だけでなく、将来的な税金面での負担増加も懸念されることがあります。
特に、適切に管理されていないと判断された空き家は、固定資産税が大幅に増額される可能性があるため、早めの対策が求められます。
しかし、具体的にどのような状態を維持・管理すれば税負担を抑えられるのか、あるいは将来的に税負担を軽減するためにどのような選択肢があるのか、その手続きや適用される可能性のある優遇措置について、実践的な情報を求めている方も多いのではないでしょうか。
今回は、空き家の税金負担が増える理由とその回避策、さらに税負担を減らすための具体的な方法について詳しく解説していきます。

空き家の税金負担が増える理由と増額を防ぐ方法

特定空家・管理不全空家に指定されると固定資産税が上がる

所有する空き家が「特定空家」または「管理不全空家」に指定されると、固定資産税が大幅に増加する可能性があります。
これは、2015年5月に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家等特措法)」の改正により、特定空家に指定された家屋は、原則として住宅用地としての固定資産税軽減措置(小規模宅地等の特例)の対象から除外されることになったためです。
本来、住宅が建っている土地は、その広さに応じて固定資産税が最大1/6に軽減されますが、特定空家に指定されるとこの軽減措置が適用されなくなり、評価額によっては税額が6倍になることもあり得ます。
特定空家とは、そのまま放置すれば倒壊等のおそれがある状態、または著しく保安上危険となるおそれのある状態、あるいは衛生上著しく有害となるおそれのある状態、または景観を著しく損なっている状態にあると認められた空き家を指します。
さらに、2023年12月には「管理不全空家」についても、特定空家と同様に固定資産税の住宅用地特例が適用除外となる方向で法改正が進められており、今後は管理不全空家も税負担増のリスクを抱えることになります。
管理不全空家とは、特定空家に該当する状態ではないものの、そのまま放置すれば特定空家に至るおそれのある状態にあり、適切な管理が行われていない空き家を指します。
これらの措置は、空き家の増加による地域社会への悪影響を防ぎ、所有者に対して適正な管理を促すことを目的としています。

空き家を適正に管理・維持する具体的な手順

特定空家や管理不全空家に指定されることを防ぎ、将来的な税負担の増加リスクを回避するためには、空き家を適正に管理・維持することが不可欠です。
具体的な手順としては、まず定期的な換気が挙げられます。
長期間人が住まない家屋は湿気がこもりやすく、カビの発生や建材の劣化を招くため、最低でも月に一度は窓を開け放ち、空気の入れ替えを行うことが重要です。
次に、庭の手入れも欠かせません。
雑草が生い茂った庭は景観を損ねるだけでなく、害虫や小動物の温床となり、建物への悪影響も考えられます。
定期的な草刈りや剪定を行い、清潔な状態を保つようにしましょう。
また、建物の損傷がないかの確認も定期的に行う必要があります。
雨漏りの跡がないか、外壁や屋根にひび割れや破損がないか、床下や天井裏に異常がないかなどを目視で、あるいは可能であれば専門家による点検で確認することが望ましいです。
電気、水道、ガスの供給については、完全に停止・解約してしまうと、配管の凍結防止のために定期的な通水が必要になるなど、かえって管理が煩雑になる場合もあります。
契約状況や建物の構造、地域の気候条件に応じて、継続や一時的な利用を検討する必要があります。
さらに、不法投棄や放火、害獣の侵入を防ぐために、敷地内を清掃し、ゴミなどが放置されないようにすることも大切です。
これらの管理作業を自身で行うのが難しい場合は、専門の管理会社に委託することも有効な手段です。
管理会社では、定期的な巡回、写真報告、簡易清掃、郵便物の確認など、様々なサービスを提供しており、遠方に住んでいる場合でも安心して空き家を管理してもらうことができます。

空き家の税金負担を減らす具体的な方法とは?

空き家を売却して税金負担を軽減する

空き家を所有し続けることによる固定資産税や管理費用、そして将来的な増税リスクを回避し、税金負担を大幅に軽減する最も直接的な方法は、その空き家を売却することです。
家屋を取り壊して更地にして売却する方法もありますが、更地にした土地にかかる固定資産税は、住宅用地としての軽減措置が適用されないため、大幅に増税される点に注意が必要です。
売却活動を始めるにあたっては、まず信頼できる不動産業者に相談し、物件の査定を依頼することから始めましょう。
不動産業者は、市場の動向や物件の状態を踏まえ、適正な売却価格や売却戦略を提案してくれます。
空き家が古く、リフォームや解体が必要な場合でも、そのままの状態で買い取ってくれる「買取業者」に相談するという選択肢もあります。
売却が成立すれば、固定資産税や管理費用は一切かからなくなり、売却益に対しては譲渡所得税がかかりますが、相続した空き家などを一定の要件を満たして売却する場合には、最高3,000万円まで控除できる特例措置(後述)も存在するため、結果的に税負担を抑えられる可能性もあります。

空き家を賃貸に出して税金負担を軽減する

空き家を売却する以外の方法で税金負担を軽減し、資産を有効活用する方法として、賃貸に出すという選択肢が挙げられます。
空き家を賃貸物件として活用することにより、毎月家賃収入を得ることができるだけでなく、居住用物件としての活用が見込まれる場合、固定資産税が住宅用地としての軽減措置の対象となる可能性があり、税負担を抑えることができます。
ただし、賃貸に出すためには、入居者のニーズに合わせたリフォームや修繕が必要となる場合が多く、そのための費用が発生します。
キッチンやお風呂などの水回りの改修、内装の刷新、断熱改修などが考えられます。
物件の状態やターゲットとする入居者層に応じて、どの程度の改修が必要かを見極めることが重要です。
また、入居者募集や契約手続き、家賃の集金、クレーム対応、退去時の立ち会いなど、賃貸運営には様々な手間がかかるため、これらの業務を専門の管理会社に委託することも一般的です。
管理会社に委託することで、運営の手間を省きつつ、空室リスクや家賃滞納リスクを低減することが期待できます。
賃貸物件として活用することで、空き家が「特定空家」や「管理不全空家」に指定されるリスクを回避できるというメリットもあります。

空き家に関する税制優遇措置の適用条件

空き家を所有している場合に利用できる、税金負担を軽減するための優遇措置も存在します。
特に注目すべきは、相続した空き家を売却する際に適用される「空き家に係る譲渡所得の特別控除」です。
この特例措置を利用すると、一定の要件を満たせば、所有期間に関わらず、譲渡所得から最高3,000万円まで控除することができます。
この特例を受けるためには、いくつかの重要な条件があります。
まず、その空き家が相続開始の時から空き家であったこと、そして相続人等が相続により取得した空き家について、所得税の申告期限の到来日(通常は相続開始から3年と7ヶ月後)までに対象の空き家を売却すること、さらに、売却代金が1億円以下であることなどが求められます。
また、売却する空き家は、耐震基準に適合していること、または耐震改修工事を行うこと、といった要件も含まれます。
この特例措置は、空き家の増加抑制と流通促進を目的としており、適用期間が限定されていますので、利用を検討する際には最新の情報を確認し、専門家のアドバイスを受けることが不可欠です。
その他、自治体によっては、空き家の解体や改修、リノベーションに対する補助金制度を設けている場合もありますので、お住まいの地域の自治体の情報を確認することも、税負担軽減に繋がる有効な手段となり得ます。

まとめ

空き家を適切に管理しないまま放置すると、建物が傷み、景観を損なうだけでなく、「特定空家」や「管理不全空家」に指定されて固定資産税が大幅に増額されるリスクが高まります。
この税負担増加を回避するためには、定期的な換気や庭の手入れ、建物の点検といった日々の管理が重要です。
さらに、将来的な税burdensを軽減し、資産を有効活用するためには、空き家を売却するか、賃貸物件として活用するという選択肢があります。
売却すれば固定資産税や管理費用はゼロになりますし、賃貸に出せば家賃収入を得ながら税負担を抑えられる可能性があります。
特に、相続した空き家を売却する際には、最高3,000万円まで控除できる特例措置が利用できる場合があり、税負担を大きく軽減できます。
ご自身の状況や空き家の状態を把握し、最適な方法を選択することが、賢明な資産管理への第一歩となるでしょう。

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