相続した不動産を前に、どのようにするのが最善か、悩まれる方もいらっしゃるでしょう。
大切な財産だからこそ、売却を検討する際には、そのタイミングや手続きについて、しっかりとした知識を持つことが大切です。
いつ売れば有利なのか、どのような準備が必要なのかを知ることで、後悔のない選択に繋がるはずです。
今回は、相続不動産の売却について、知っておきたいポイントを解説します。
相続不動産売却いつがベストか
税制優遇狙うなら3年以内
相続した不動産を売却する際、有利な税制措置を受けられるタイミングがあります。
特に、「相続開始から3年10ヶ月以内」に売却すると、「相続税の取得費加算の特例」が適用される可能性があります。
この特例により、支払った相続税の一部を不動産の取得費に加算でき、譲渡所得税の負担を軽減できる場合があります。
また、相続税の申告期限(相続開始から10ヶ月以内)までに遺産分割協議を完了させ、申告することで、「小規模宅地等の特例」が適用され、相続税自体を減らせる可能性もあります。
これらの特例を最大限に活用するためには、売却時期の検討が重要となります。
特例期限過ぎれば損する可能性
前述した税制上の特例には、それぞれ適用される期限が設けられています。
例えば、取得費加算の特例は、相続開始日から3年10ヶ月以内という期限があります。
この期限を過ぎてから売却してしまうと、本来であれば節税できたはずの金額が課税対象となり、結果的に手元に残る金額が少なくなってしまう可能性があります。
税制優遇を逃すと、想定以上の税負担が発生することもあるため、期限には十分な注意が必要です。
早期売却でリスク回避
税制面だけでなく、早期に売却を進めることで、いくつかのリスクを回避することにも繋がります。
不動産は、市場の状況によって価格が変動するものです。
また、所有している間は固定資産税や管理費用などの維持コストが発生し続けます。
特に、空き家となった不動産は、維持管理が負担となり、放置するとさらに価値が下がるリスクも考えられます。
相続税の納税資金を確保する必要がある場合も、余裕を持った売却活動が重要となります。
家がすぐに売れるとは限らないため、早めに動き出すことが、思わぬ損を防ぐことに繋がります。

相続不動産売却前に決めるべきこと
売却以外の活用法検討
相続した不動産を売却する前に、一度立ち止まって他の選択肢も検討することが大切です。
例えば、賃貸物件として貸し出す、将来的に自分や家族が住むために取っておく、といった活用方法もあるかもしれません。
すぐに売却を決めてしまうと、後になって「他の方法を選べばよかった」と後悔する可能性もゼロではありません。
様々な可能性を比較検討した上で、やはり売却が最善であると判断することが、納得の選択に繋がるでしょう。
相続人全員の同意確認
不動産を複数の相続人で共有している場合、売却を進めるには相続人全員の同意が不可欠です。
たとえ一部の相続人が売却に賛成していても、全員の合意が得られなければ、法的に売買契約を進めることはできません。
相続人間で意見が対立してしまうと、売却が長引くだけでなく、関係性の悪化にも繋がりかねません。
事前にしっかりと話し合い、全員が納得できる形で進めることが、円滑な売却には重要です。
相続登記を完了させる
相続した不動産を売却する手続きを進めるためには、まず「相続登記」を完了させる必要があります。
相続登記とは、亡くなった被相続人から相続人へと、不動産の所有権の名義を変更する手続きのことです。
この名義変更が完了していないと、法的には所有権が移転していないため、原則として、不動産を売却することができません。
2023年4月からは相続登記が義務化されることもあり、遺産分割協議が終わった後は、速やかに相続登記を済ませておくことが、売却に向けた重要なステップとなります。

まとめ
相続した不動産の売却では、「相続開始から3年10ヶ月以内」といった税制優遇を受けられるタイミングを把握することが、税負担を軽減する上で非常に重要です。
また、売却を決める前に、賃貸などの活用法を検討したり、相続人全員の同意を得たり、相続登記を完了させたりといった、事前の準備が不可欠となります。
これらのポイントを押さえ、計画的に手続きを進めることで、相続財産を有効に活用し、後悔のない売却に繋げることができるでしょう。