家を相続された際、どのように進めれば良いのか、手続きや税金について疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
不動産の名義変更から始まり、売却活動、そして税金の申告・納税まで、一連の流れには様々なステップがあります。
初めての経験では、戸惑うことも少なくありません。
今回は、相続した家を売却するまでにやるべきこと、そして売却する際の注意点や税金について、詳しく解説していきます。
相続した家を売るまでにやることは何か
相続登記と遺産分割協議を完了させる
相続した家を売却するにあたっては、まず、誰がその家を相続するのかを決定する遺産分割協議を完了させる必要があります。
遺言書がある場合はそれに従いますが、ない場合は相続人全員で話し合い、財産の分け方を決めます。
不動産の場合は、現物分割、代償分割、換価分割、共有分割といった方法が一般的です。
遺産分割協議で相続人が確定したら、次に相続登記(不動産の名義変更)を行います。
この相続登記を完了させなければ、原則として家を売却することはできません。
特に、2024年4月からは相続登記が義務化され、正当な理由なく相続登記をしない場合、過料が科される可能性もあるため注意が必要です。
不動産売却の準備と実行を行う
相続登記が完了したら、いよいよ不動産の売却活動に入ります。
売却方法には、不動産会社に買い手を探してもらう「仲介」と、不動産会社が直接買い取る「買取」の二種類があります。
どちらを選ぶかによって、売却期間や価格、手数料などが異なります。
売却活動を始める前に、家の中の整理や清掃を行い、買い手が内覧する際の印象が良くなるよう準備を進めましょう。
遺品整理もこの段階で進めておくと良いでしょう。
信頼できる不動産会社を見つけることも、スムーズな売却には不可欠です。
税金計算と申告に備える
相続した家を売却する際には、税金に関する手続きも重要です。
相続税は、相続が発生したことを知った日から10ヶ月以内が申告・納税の期限となる場合があります。
また、家を売却して利益(譲渡益)が出た場合は、売却した翌年の2月中旬から3月中旬にかけて確定申告を行い、譲渡所得税を納める必要があります。
相続税や譲渡所得税の計算は複雑になることがあるため、事前に専門家などへ相談し、正確な計算と申告に備えることが大切です。

相続した家を売却する際の注意点と税金は
相続登記は義務化されており必須となる
相続した不動産を売却するためには、相続登記が法的に必須となります。
これは、不動産の所有権が亡くなった方から相続人へと正式に移転していることを法務局に登記することで証明されるからです。
2024年4月1日より相続登記は義務化されており、相続の開始があったことを知った日から3年以内に登記申請を行わない場合、罰則(過料)が科される可能性があります。
売却の有無にかかわらず、相続した不動産については速やかに相続登記の手続きを進めるべきです。
節税特例を理解し税金負担を軽減する
相続した家を売却する際に発生する税金(相続税、譲渡所得税)について、いくつかの特例制度を理解しておくことで、税金負担を軽減できる可能性があります。
例えば、故人が居住していた家屋や土地などに関する特例(居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特例、小規模宅地等の特例など)や、相続税額の一部を不動産の取得費に加算できる「取得費加算の特例」などがあります。
これらの特例の適用にはそれぞれ要件がありますが、適用できれば税金負担を大きく抑えられるため、専門家と相談しながら活用を検討すると良いでしょう。
信頼できる不動産会社を選定する
相続した家を売却するにあたり、信頼できる不動産会社を選ぶことは非常に重要です。
物件の相場を把握し、適切な価格設定や効果的な販売活動を行うためには、その地域の不動産市場に精通した会社を選ぶことが望ましいです。
また、相続に関する複雑な手続きや税金についても、専門的な知識を持った不動産会社であれば、相談に乗ってもらえたり、連携して進めてくれたりすることが期待できます。
ご自身の状況や希望に最も合ったパートナーを見つけることが、後悔のない売却につながります。

まとめ
相続した家を売却するまでには、まず遺産分割協議を行い、相続登記を完了させることが不可欠です。
その後、売却活動を開始し、買い手が見つかれば売買契約を締結し、物件の引き渡しと決済を行います。
これらのプロセスと並行して、相続税や譲渡所得税といった税金に関する手続きも必要となります。
特に、相続登記が2024年4月から義務化された点は留意が必要です。
また、適用できる節税特例を理解することで、税金負担を軽減できる場合もあります。
複雑な手続きや税金計算をスムーズに進めるためには、信頼できる不動産会社や必要に応じて税理士などの専門家へ相談することも有効な手段となります。