実家売却と相続税どちらが先か?有利になる税金事情を解説

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実家売却と相続税どちらが先か?有利になる税金事情を解説

実家の売却を考えたとき、「相続が起きる前に売るべきか、それとも相続後に売った方が得なのか」と悩まれる方は少なくありません。
実はこの判断ひとつで、相続税や譲渡所得税の負担が大きく変わる可能性があります。
適用できる控除や特例は売却のタイミングによって異なり、知らずに進めてしまうと思わぬ税負担につながることもあります。
この記事では、実家売却と相続税の関係を整理しながら、どのタイミングが税金面で有利になりやすいのかを分かりやすく解説していきます。

実家売却と相続税どちらが先か

相続後売却が有利になる税金事情

実家を売却するタイミングについて、相続前と相続後で税金面での影響が大きく変わることをご存知でしょうか。
実家を売却する際には、相続税や譲渡所得税といった税金が関わってきますが、売却するタイミングによって、適用できる税制や控除、特例が異なり、結果として税負担が大きく変わる可能性があります。

一般的に、相続税の計算においては、不動産を相続する方が、現金で相続するよりも相続税の課税価格を低く抑えられる傾向があります。
さらに、相続後に実家を売却する際には、「小規模宅地等の特例」や「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」といった、税負担を軽減できる可能性のある制度が適用できる場合があります。
これらの特例が適用できるかどうかで、相続税や譲渡所得税の負担が大きく変わることがあります。

生前売却で適用できる控除

親御さんが所有されている実家を、相続が発生する前に売却する、いわゆる「生前売却」の場合にも、税制上の優遇措置があります。
例えば、親御さん自身が所有者として実家を売却する場合、「マイホームを売ったときの特例」(居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除)を適用できる可能性があります。
これは、所有期間の長短にかかわらず、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる制度です。

また、親から子へ実家そのものを生前贈与し、その後、子名義で売却するという方法も考えられます。
この場合、子自身が「マイホームを売ったときの特例」などを利用できることがあります。
ただし、生前贈与には贈与税や不動産取得税、登録免許税といった税金が発生するため、その点も考慮が必要です。

相続後売却で適用される特例

親御さんが亡くなり、相続が発生した後に実家を売却する場合、相続税や譲渡所得税の負担を軽減できる特例がいくつかあります。

まず、相続税の負担を軽減する代表的な特例として「小規模宅地等の特例」が挙げられます。
この特例は、被相続人の居住用宅地等について、一定の要件を満たす場合に相続税の課税価格を大幅に減額できる制度です。
適用できれば、相続税負担を大きく減らすことが可能です。

譲渡所得税に関しては、「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」があります。
これは、相続で取得した不動産を一定期間内に売却した場合に、相続税額の一部を取得費に加算できる制度で、譲渡所得税の負担を軽減できます。

さらに、被相続人が一人暮らしをしていた実家などが相続後に空き家となった場合、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」が適用できることがあります。
この特例では、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円まで控除することが可能です。

実家売却のタイミングで税金はどう変わる

譲渡所得税の計算と特例

実家を売却する際に課される税金の一つが譲渡所得税です。
これは、不動産の売却によって得られた利益(譲渡所得)に対してかかる税金で、具体的には「売却価額」から「取得費(物件の購入代金や諸経費)」と「譲渡費用(仲介手数料や登記費用など)」を差し引いた金額が課税対象となります。

生前中に親御さん自身が所有権を保有したまま売却する場合、もしその実家が「マイホーム」に該当すれば、「マイホームを売ったときの特例」などの適用により、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる可能性があります。
これにより、譲渡所得税の負担を大幅に軽減できることがあります。

一方、相続後に相続人が所有者となって売却する場合も、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」などを活用できれば、同様に譲渡所得税の負担を軽減することが可能です。

相続税の課税価格への影響

実家を売却するタイミングは、相続税の課税価格にも影響を与えます。
一般的に、実家を不動産のまま相続する場合、相続税の計算上、その時点での相続税評価額が適用されます。
しかし、相続後に市場価格で売却すると、評価額よりも高い金額で現金化されることが多く、その売却益に対して譲渡所得税がかかることになります。

一方で、相続税の計算においては、不動産を現金化する前に「小規模宅地等の特例」を適用できれば、課税価格を大幅に減額できる場合があります。
この特例の適用有無は、相続税の総額に大きく影響するため、売却のタイミングを慎重に検討する必要があります。

適用できる特例による節税効果

実家売却のタイミングによって、適用できる税法上の特例が異なります。
生前中に売却する場合、主に「マイホームを売ったときの特例」などを利用することで、譲渡所得税の節税が期待できます。

対して、相続後に売却する場合の大きなメリットは、「小規模宅地等の特例」が適用できる点です。
この特例により、相続税そのものの負担を大幅に軽減できる可能性が高まります。
さらに、「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」や「空き家特例」なども利用できれば、譲渡所得税の節税にもつながります。

このように、どちらのタイミングで売却するかによって、節税できる税金の種類や金額、適用できる特例が変化します。
ご自身の状況に最も有利な方法を選択するためには、専門家への相談が不可欠です。

まとめ

実家売却のタイミングは、相続税と譲渡所得税の双方に影響を与え、適用できる税法上の特例が異なります。
一般的には、相続後に「小規模宅地等の特例」などを活用できる場合が多く、相続税・譲渡所得税の両面で有利になるケースが多い傾向にあります。
これにより、税負担を大幅に軽減できる可能性があります。

しかし、親御さんがご存命のうちに売却する生前売却にも、「マイホームを売ったときの特例」などを活用して譲渡所得税を節税できるといったメリットがあります。
どちらのタイミングがより有利になるかは、個々の不動産の状況、相続人の数、被相続人や相続人の居住状況、財産全体の規模など、様々な要因によって決定されます。
そのため、ご自身の状況に最適な選択をするためには、税理士などの専門家にご相談されることをお勧めします。

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